長瀬ランダウア株式会社
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放射線による治療

放射線の有効性

放射線は被ばくした部分にだけ影響が現れます。
例えば水着の跡を思い出してください。夏の日差しを浴びた肌は赤くなりますが、水着の下は紫外線が水着に吸収されるので白いままです。放射線もこれと同じです。しかし、放射線は種類によって透過力が強いため、鉛の板などを用いて遮へいします。
放射線を用いた治療では、正確に病変を見つけ出し、患部にだけ放射線のエネルギーを吸収させダメージを与えます。現在の主な放射線治療は、がん細胞に対するものです。
一般的に新陳代謝の盛んな細胞ほど、放射線の影響を受けやすいことが知られています。がん細胞は人の体細胞より活動的なので、放射線を照射し被ばくすると、がん細胞は死滅しますが、健康な細胞はさほど影響を受けません。このことにより、がんの治療が可能となります。さらに、がん細胞だけに多くの放射線を照射する工夫が、治療成績を向上させます。

体外からの放射線照射による治療

一般的には、事前にがん組織の正確な場所を診断し、このがん細胞を中心に、線源を回転させながら放射線を照射します。最近では体の中の重要な臓器が照射野に入らないよう、照射方向を正確に制御しながらがん組織だけを照射するガンマナイフなども実用化されています。粒子線は、特定の深さに達すると止まってしまい、その際に大きなエネルギーを周囲に与えます。このような位置にがん細胞がくるように照射すると、粒子線の大量のエネルギーががん細胞に吸収されます。

体内からの放射線による治療

1.RI(ラジオアイソトープ)

放射線は線源からの距離が離れるほど、線量が少なくなります。したがって、線源とがん細胞の距離を短くすれば、小さな線源からでも大きな線量を照射することが可能となります。もしも小さな線源をがん組織の中に留めておくことができれば、健康な細胞に影響を与えずに治療できます。こうした治療法は、おもに舌がんや前立腺がんに用いられます。

2.中性子捕獲療法天然ホウ素(B)

中性子捕獲療法天然ホウ素(B)は、5個の中性子を持った10Bと、6個の中性子を持った11Bが混ざっています。10Bは中性子線に反応しやすく、中性子線を照射すると核反応を起こし、α線などの短い距離で大きな影響を与える放射線を放出します。そこで、この10Bだけを集め、がん細胞にだけ集積する薬をつくって体内に入れます。ホウ素ががん細胞に集まったところに中性子線を照射します。するとα線の被ばくにより、がん細胞が死滅します。しかし、体のもとになっている酸素・炭素・窒素は中性子線とあまり反応しないので、周囲の健康な細胞への影響は小さくなります。

その他の放射線の利用例

1.画像支援治療(IVR)放射線

画像支援治療(IVR)放射線を直接治療に使うことではありませんが、X線で透視しながら血管内に細い管を通して、血管の内側から治療する方法が盛んに行われるようになりました。血管が狭くなり血液が通りにくくなった場所に風船を膨らませ、血管を広げて血液を流れやすくしたり、血管の途中にできたこぶの中に詰め物をして血管が切れるのを防いだり、がん細胞の近くまで管を持っていき高濃度の抗がん剤を直接注入したり、さまざまな方法で利用されています。

2.輸血用血液への照射

生きた血液を輸血すると、供血者のリンパ球が輸血を受けた人の体内に入ります。供血者と輸血を受けた人の適合性が十分でないと、リンパ球が輸血を受けた人の組織を攻撃します。成人の場合、外から入ってくるリンパ球を拒絶できることが多いのですが、こどもの場合は免疫力が弱く大きな影響を受けることがあります。そこで、輸血を行う前の血液に15Gy以上の線量を照射して、輸血後のリンパ球の増殖を抑えます。過去には治療用の照射装置を流用して放射線を照射することもありましたが、現在では血液照射専用の装置で照射しています。