長瀬ランダウア株式会社
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個人被ばく線量

放射線が人体に当たるとどうなるか

放射線は、人体に当たると進む経路にある臓器・組織にエネルギーを与えます。高エネルギーの放射線は、人体に弱められることなく、通過してしまいます。一方、低エネルギーの放射線は、人体の内部で臓器・組織にエネルギーを与えながら、だんだん弱まっていきます。そして、低エネルギーの放射線が完全に止められてしまう時に、一番大きなエネルギーをその場所の臓器・組織に与えます。従ってこの場合、人体が同じ放射線を受けても、身体の表面と身体の内部の深い部分とでは与えられたエネルギーの量が異なることになります。この違いは被ばくした線量によって表わされます。
また、臓器・組織は、それぞれ放射線による影響が異なります。そのため、正確に線量を算出するには、各臓器・組織が存在している場所での線量を測定しなければいけません。しかし、臓器・組織はそれぞれが人体のさまざまな深さに存在しており、これらの線量を測定することは事実上不可能です。

どのような量を測定するか

そこで、被ばくした線量を過小評価することのない代表的な人体の深さを考慮して、その深さでの線量を評価することになりました。ここで採用されたものが、人体の表面から1cmの深さの線量と70μmの深さの線量、すなわち1cm線量当量;Hp(10)と70μm線量当量;Hp(0.07)です。単位は、Sv(シーベルト)を使います。

1cm線量当量、70μm線量当量

1cm線量当量は、外部被ばくによって、目と皮膚以外の臓器・組織が受けた線量を評価する時に使います。厳密に言えば、実効線量を評価するための量として用いられます。70μm線量当量は、外部被ばくによって皮膚が受けた線量(皮膚の等価線量)を評価する時に使います。
なお、以前は目の水晶体が受けた線量の評価のために3mm線量当量の測定も義務づけられていました。しかし現在は、1cm線量当量と70μm線量当量を管理することにより、防護上十分な情報が得られることから義務づけられなくなりました。

どうやって測定するか

前途のように、人体内部に線量計を置いて直接その深さで被ばくした線量を測定することは不可能です。そのため実際の測定では、人体の表面に着用した個人線量計によって、その人体の内部の線量を評価しなければなりません。
そこで、人体の表面で実際に測定できる線量である吸収線量から1cm線量当量、70μm線量当量を算出します。これには、ICRU(国際放射線単位・測定委員会)で決められた換算係数を用います。これは、線量当量の種類や放射線のエネルギーによって異なります。このようにして、臓器・組織の感受性や放射線のエネルギーに合わせて、人体が放射線によって受ける影響を数値化しています。

被ばく線量の管理

わが国では、一生の被ばくを1Svに抑えることを目安に、ICRP1990年勧告を取り入れた「放射線障害防止に関する法令」(平成13年4月1日施行)で、放射線業務従事者の線量限度を以下のように定めました。

  1. 実効線量限度(身体全体が対象)
    1. 法令施行から5年ごとに100mSv
    2. 4月1日から1年ごとに50mSv
    3. 女性は、1、4、7、10月の1日から3ヶ月ごとに5mSv
      (ただし、ここでの女性は、妊娠不能と診断された者、妊娠の意志のない旨を使用者等に書面で申し出た者、妊娠中の者を除きます)
    4. 妊娠中の女性は、本人の申出等により使用者等が妊娠の事実を知ったときから出産までの期間で、内部被ばくについて1mSv
  2. 等価線量限度(個別の部位が対象)
    1. 目の水晶体は、4月1日から1年ごとに150mSv
    2. 皮膚は、4月1日から1年ごとに500mSv
    3. 妊娠中である女性の腹部表面は、(1)4に規定する期間につき2mSv