中性子線用ルミネスバッジはX・γ線、β線を測定するOSL線量計と中性子線測定用の固体飛跡検出器を内蔵し、X・γ線、β線、高速中性子線・熱中性子線の測定が可能です。
中性子線の検出器に使用しているADC(Allyl Diglycol Carbonate)は、X・γ線に対してほとんど感度がないため、X・γ線と中性子線の混在場においても中性子線を測定でき、安心してご利用いただけます。
さらに当社のADC板は表面に傷が無く、透明度が高くなるよう独自開発したものを使用しており高精度の測定を実現しております。
中性子バッジの特長
- Point:1
- ひとつのバッジで、X・γ線、β線、熱中性子線、高速中性子線を測定できます。
- Point:2
- フェーディングはほとんどなく、高い測定精度が得られます。
X・γ線にほとんど感度が無いため、X・γ線との混在場でも、中性子線が精度良く測定できます。 - Point:3
- 中性子ルミネスバッジは中性子線測定素子(ADC板:プラスチック)に、フィルターとして陽子ラジエータとαコンバータを組み合わせ、小さなケースに装填された構造になっています。
中性子線の測定原理
ADC板にできたピット画像
中性子線がバッジに組み込まれている陽子ラジエータとαコンバータに衝突し、弾き出された陽子線やα線がADC板に傷を作ります。この傷に対し化学的にエッチングを行い、できた穴の数より被ばく線量を算出します。
エッチピット法の技術を、高速中性子線だけでなく、熱中性子線検出にも応用し、開発した高精度な測定が可能になっています。
中性子ルミネスバッジのタイプと仕様
測定線量
X・γ線、β線、熱中性子線、高速中性子線 | |
同上(精密測定用 ※下表仕様参照) |
KG・NGタイプ
中性子線源や加速器等を使用する場合
仕様概要
0.01 mSv~10 Sv(全タイプ共通) | 5 keV~10 MeV(全タイプ共通) | |
0.1 mSv~10 Sv(全タイプ共通) | 150 keV~10 MeV(全タイプ共通) | |
0.1 mSv~6 mSv(KG, NGタイプ共通) *熱中性子線単独入射の場合 |
0.025 eV~0.5 eV(KG, NGタイプ共通) | |
0.2 mSv~50 mSv(KGタイプ) 0.1 mSv~50 mSv(NGタイプ) |
24 keV~15 MeV(KG, NGタイプ共通) |